ステロイドは静注より経口の方が確実な投与経路となる?

こんばんは!今日はステロイドについてのお話を書いてみようとおもいます。

steroid

多分ステロイドを使ったことないお医者さんはいないんじゃないですか?

そのくらい日々の臨床に欠かせない薬ですよね。

そんなステロイドに関して、以前「膠原病診療ノート」という本を読んでいたんですよ。有名な本です。私は膠原病科ではないのですが、この本のステロイドに関する部分は他のどの本よりもよくまとまっていて研修医の頃読んですごく勉強になりました。

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そしてこの本の中に、「ステロイドは経口投与の方が静注よりも効果が確実であり、経口から静注に置き換える場合には1.5〜2倍量の投与に換算する必要がある」という内容があります。

ステロイドは経口が一番確実な投与経路である

膠原病診療ノートに書かれている理由は次のような内容です。図は私がこれを読んでた当時に、読みながらお絵描きしてあったものです。ちなみに、のイラストがステロイドです。笑

steroid-oral-iv

ポイントとなるのは、

  • コルチゾルは90%が結合型として存在して、結合している限りは血中に留まる。
  • 遊離型のコルチゾルは1時間以内に細胞に入るか、肝代謝を受けて排泄される。
  • 静注すると、大量であればあるほど血中タンパクと結合しきれない遊離ステロイドが増えるので、代謝されてしまうステロイドが増えて血中から消失する率も増してしまう

ということだと思われます。

これを読んだ当初は「おぉーー!!」と目からウロコでした。だってどう考えたって経口よりも静注の方が確実な投与経路に思えるじゃないですか!ほんとか!?と思ってました。

これを読んでしばらく経った頃にも、研修医で腎臓内科ローテ中に上級医から、「静注ステロイドよりも経口ステロイドの方が必要量が減ると言われているからね」というような内容のことを聞きました。あ、これ膠原病診療ノートで見たやつだ!って思ってました。

だけどこれ、ほんとに根拠があるのか?と思ってそのあと自分で色々調べてみたんですよ。膠原病診療ノートにもこう書かれてるんです。

経口不能あるいは腸管浮腫によりプレドニン内服が不可の時、静注に変更する場合は経口予定量の1.5〜2倍の水溶性プレドニンを2分割して、one shotではなく30分以上かけて点滴する。昔の臨床経験に基づいて提唱されたものだが、文献的な記載はない。

それにしても、ステロイドのあのちっちゃいバイアルを30分かけろってそんな無茶な!笑

何かに混注して投与が良いのかな?普通にone shot ivしかしたことない気が…Σ(д゚)

ステロイド静注と経口を比較した論文はあんまりない

色々調べたんですけど、経口量と静注量を比較した文献ってあんまり見つからないんですよね(´-ω-`;)ゞ

昔から経験的に語られてることみたいであまりちゃんとした検討はないみたいなんですよ。でも、パラパラと探していてこんな文献は見つけました。

The bioavailability of IV methylprednisolone and oral prednisone in multiple sclerosis.

Neurology. 2004 Sep 28;63(6):1079-80.

多発性硬化症でパルス療法患者16例を次の2群に割り振ります。
静注群:mPSL 1g 静注
内服群:PSL 1250mg 内服
結果:血中濃度推移のグラフ積分値(area under the concentration-time curve:AUC)を比較して有意差はなかったと報告している。

ステロイドは力価で換算すると同等量になるように割り振られています。つまり、この結果を見ると上記の「静注ではタンパク結合しきれていないステロイドが増えて代謝が早くなり、血中から消失する率も増してしまう」という仮説とは反しているようにおもいます。

まとめると

ステロイド静注が経口に効果が劣るというのは昔からのExperienced based medicineがそのまま信じ続けられているだけのようにも思われます。とは言っても、私は全くもってこの専門家ではないので、あまりえらそうなことを無責任に断言するわけにもいきません。

何かさらなる情報をご存知の方は教えてほしいなーと思ったお話でした。

興味があれば読んでみてくださいね☆


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